くず鉄収集所

遊戯王のあれこれを徒然なるままに書き下ろしていくブログです。

デッキ紹介【アンビシャス・シャーク】

はじめに

みなさん、お久しぶりです。Feです!

前回の更新から随分と期間が空いてしまいましたが、今回もいつものようにデッキ紹介記事の投稿です。記事を書くこと自体1年以上ぶりなので、今まで以上に優しい目で読んでいただければ幸いです。

それでは、デッキ紹介に行きましょう!

デッキレシピ



デッキコンセプト

今回のデッキの主役はこのカード。



水属性Xモンスターに関連する2つの効果を持っていますが、中でも注目なのは②の効果。発動条件こそありますが、任意の魔法をデッキトップに置くことができるのはこのカードならではの強みです。このカードを主役に据えたデッキを考えてきました。

 

《ランサー》を使う上で最初に考えたのは、類似効果を持つ魔法サーチカードとの差別化です。魔法カードのサーチ手段としては今は天獄の王》が定番ですが、あちらは非常に緩い条件で魔法カードをデッキからセットできるので、漫然と《ランサー》を魔法カードのサーチとして使っていては劣化になりかねません。



そこで、今回は天獄の王》には出来ない、「維持できれば毎ターン魔法カードを仕込める」「魔法カードをデッキトップに置くことができる」の2つに着目しました。

まず、コンボが決まれば毎ターン魔法カードをサーチできることから、「特定のコンボパーツのサーチ手段」ではなく「その場に合わせた魔法カードを適宜サーチする」使い方の方が《ランサー》には合っていそうです。



具体的には《死者蘇生》《ハーピィの羽根箒》といった強力なピン挿しカードを相手に合わせて打ち分けていく使い方です。これなら基本的に使いきりとなる天獄の王》よりも《ランサー》を優先する理由になります。

そして、もう1つの「デッキトップに魔法カードを置く」点については、このカードを使うことにしました。



「発動後デッキに戻ったこのカードを、次のターンにドローできれば4000バーン」とデッキトップに置くことが非常に重要な1枚です。ちなみに、残りの4000LPについては変なコンボを狙わず、シンプルに戦いの中で削っていこうと思います。

つまり、今回紹介するのは《ランサー》の効果で状況に合わせた魔法カードを持ってきながら戦いつつ、《アフター・グロー》で〆る」がコンセプトのデッキです!

初動について

メインコンセプトである《ランサー》を使った魔法カードのサーチに必要なコンボパーツは次の3枚です。

①ランク5Xモンスターを出す手段

②破壊される水属性Xモンスター

③水属性Xモンスターを破壊するカード

Xモンスターが最低2体必要なコンボと、一見揃えるのが難しそうですが、なんとこのデッキではレベル4モンスター2体が並ぶだけで全てのパーツを集めることができます!

以下、そのルートです。

条件:レベル4モンスター2体

①レベル4モンスター2体でスプリガンズ・メリーメイカー》をX召喚。デッキからレベル4スプリガンズを墓地へ送る。

 

 

《メリーメイカー》に重ねてギガンティック・チャンピオン・サルガス》をX召喚。効果でデッキから《タリホー!スプリガンズ!》を手札に加える。

 

 

《サルガス》のX素材を3枚取り除いて《タリホー!スプリガンズ!》を発動。デッキからレベル4スプリガンズをサーチし、《メリーメイカー》+レベル4スプリガンズ×2体の計3体を特殊召喚

 

 

④《メリーメイカー》に重ねて《エクシーズ・アーマー・フォートレス》をX召喚。デッキから「アーマード・エクシーズ」カードをサーチしておく。

 

 

⑤レベル4スプリガンズ2体で《星守の騎士プトレマイオス》をX召喚。

 



⑥エンドフェイズにEXデッキからステラナイトXモンスターをプトレマイオスの素材に入れ、素材3つを取り除いて効果を発動。《ヴァリアント・シャーク・ランサー》にランクアップ。

最終盤面:《サルガス》《ランサー》(素材1枚)、《フォートレス》

 

これにより、相手ターン中に《ランサー》フリーチェーン破壊、X素材が取り除かれたことで発動した《サルガス》の効果で《フォートレス》を破壊することで、「相手モンスターを1体破壊しつつ、デッキから任意の魔法をデッキトップに仕込む」ことが可能になります。



また、途中で《アーマード・エクシーズ》をサーチできるのもこの展開の強力なポイントです。墓地に存在する《フォートレス》を装備することでどんなXモンスターでも水属性に変更することができます。これで、次ターン以降の《ランサー》のトリガー役の準備も万端です。

序盤の戦い方

序盤はとにかくコンボパーツを揃えるために、ランク4を立てることに集中します。そこで、今回はランク4を立てるための初動として【溟界】を採用しました。



溟界を初動に選んだ一番の理由は墓地リソースのみでモンスターを展開できることが可能だからです。

このデッキは《ランサー》の効果の都合上、ドローフェイズのドローが固定されることがほとんどであるため、新たな展開用のモンスターを引き込むことができません。そのため、墓地リソースのみでX召喚用のモンスターを展開できる溟界はこのデッキと非常に相性が良いです。

また、後述しますが溟界は爬虫類族の蘇生札が豊富なため中盤以降の戦線維持にも役立ってくれます。

中盤以降の戦い方

中盤以降はデッキトップに置く魔法を蘇生札にすることで《ランサー》《サルガス》を確保しつつ、溟界の展開力で水属性Xモンスターを横に並べていきます。その中でも特にX召喚を狙いたいのがこのカード。



レベル4モンスターが3体必要なのに効果が無いモンスターを出すのは一見もったいないように思えますが、それでも出したい理由はそのステータスです。遊戯王カードの中で唯一の水属性、爬虫類族、Xモンスターというステータスを持っています。

爬虫類族であることの利点ですが、まず《溟界の滓-ヌル》などの展開に爬虫類族縛りが付いている場合でもX召喚が可能です。特に《ヌル》は溟界が場に入れば自己蘇生が可能なので、溟界を含んだレベル4モンスター2体が場にいる状況で自己蘇生すれば、簡単に《ガガギゴ》まで繋がります。

そして、最大の利点は溟界の豊富な爬虫類族サポートカードを共有できる点です。



溟界は爬虫類族の蘇生札が非常に豊富なので、一度《ガガギゴ》をX召喚できれば以降は毎ターン水属性Xモンスターを墓地から蘇生できるようになります。

その中でも《溟界の大蛟》はこのデッキと特に好相性な1枚です。メインデッキは基本的にスプリガンズの炎、溟界の光&闇で構成されているため、水属性の《ガガギゴ》を蘇生するコストには困りません。

また、②の効果でデッキから爬虫類族を墓地に送ることができますが、ここで墓地へ送るのが《ヤモイモリ》です。



墓地から除外することで相手モンスターの攻撃力を0にしつつ、自分フィールドの爬虫類族を破壊します。つまり、《大蛟》1枚で水属性Xモンスターを蘇生しつつ、そのモンスターの破壊まで行う事が可能です。あとは、隣に《ランサー》を立てれば再び魔法サーチの準備が整います。《大蛟》のサーチから《ガガギゴ》のX召喚まで全てテーマ内で行える点も、溟界を初動として選んだ理由です。

あとは、状況にあった魔法をサーチしながら戦い、相手のLPが4000を切ったら《アフター・グロー》でのバーンを狙いに行きます。

各カードの解説

メインデッキのモンスターはほとんど溟界&スプリガンズで構成されているので、ここからはその中でも重要なカードや、テーマ外のカードについて解説していきます。



②の効果で墓地からモンスターを特殊召喚できます。このカード自身は爬虫類族なので、溟界の爬虫類族蘇生カードが実質墓地のモンスター何でも蘇生になります。①効果で自己蘇生も出来ますが、その後の展開に爬虫類族縛りが付くので使うタイミングには注意が必要です。

 



場に出るとワンドロー。ただそれだけですが、《ランサー》と組み合わせることでデッキトップに置いた魔法カードをすぐに手札に引き込むことができます。当然爬虫類族なので、蘇生手段も豊富です。

爬虫類族のサポートカードが状況によって水属性Xモンスター展開になったり、ドロー札になったりと、状況に合わせた使い分けが出来るのも、このデッキを回していて楽しいポイントの1つです。

 



効果で墓地へ送られると特殊召喚できるレベル4モンスター。墓地送り手段は主に《溟界の蛇睡蓮》を想定しています。墓地に爬虫類族が4種類以上ある状況で《蛇睡蓮》を発動することでデッキからこのカードを墓地へ送りつつ、爬虫類族を蘇生できます。この時点でレベル4モンスター2体が並ぶので、あと1体レベル4モンスターが立てば素材3体が必要な《ガガギゴ》のX召喚も簡単です。

 



手札からモンスターが墓地へ送られると自己蘇生できます。発動条件は《大蛟》や初動で使った《溟界の漠ーゾーハ》などで満たせるので簡単です。こちらは《夜刀蛇巳》と違いレベル8なのでランク8に繋がります。

《大蛟》で手札をコストにレベル8の溟界を蘇生すればこのカードも一緒に蘇生できるので、召喚権を使わずにランク8に繋げる動きが非常に強力です。

 



墓地へ行ったXモンスターの再利用手段。初動でXモンスターを6枚も使うので、コストには困りません。メインテーマもスプリガンズ、溟界と墓地肥やしやサーチが得意なテーマなので、複数枚積んでも腐る場面がほとんど無いのも使いやすいポイントです。

 



《ランサー》からサーチしたい元禁止魔法。対モンスターの捲り札を1枚デッキに挿しておきたかったので、《心変わり》を採用しました。

禁止カードから帰ってきたので使いたかったというのが1番ですが、奪ったモンスターを溟界のリリースコストに充てられるのも、このデッキならではの強みかなと思います。

 



水属性Xモンスターの破壊をトリガーに《ランサー》とこのカードを発動することで、デッキトップに置いた魔法カードを即座にドローすることができます。自分ターン中に発動した場合は《ツインツイスター》などの速攻魔法をサーチして相手ターンに備えるのが基本です。

ただし、「ドロー効果は強制効果」という点には注意が必要で、強制効果なので必ずチェーン1《補給部隊》、チェーン2《ランサー》という順番になるため、《アフター・グロー》などデッキトップに固定しておきたいカードもドローしてしまいます。コンボの際は別途フィールドから離す必要がありますが、その手間を抱えてでも採用する価値のある強力なドローソースです。

 



墓地の魔法罠を再利用したいタイミングが多かったので、1枚だけですが採用しています。同じような用途で使われるカードとして《貪欲な瓶》がありますが、今回は《ランサー》からサーチが効く魔法カードということでこちらを選びました。

発動タイミングがスタンバイフェイズと遅いですが、パワーの高いモンスターの処理が優先されてこのカードは後回しにされがちなので発動機会は割と多いです。一見ネタ枠に見えますが、実は重要な1枚。

 



機械族Xモンスターの蘇生手段。主に《サルガス》を蘇生することで盤面を維持していきます。それ以外の場面ではスプリガンズXモンスターを蘇生することが多いです。

このデッキの弱点として、効果を使うためにX素材を取り除くカードが多く、フィールドのX素材が足りなくなるという問題点があります。そのため、素材を恒久的に補給できるスプリガンズXモンスターを蘇生できるこのカードも優先してサーチしておきたい1枚です。

 



プトレマイオスからのルートが失敗した時に、《ランサー》を出すための別ルート。《アーマード・エクシーズ》をサーチしつつ、フィールドにレベル5モンスター2体を用意できます。

このカードだけでランク5と水属性Xモンスターの準備を進めることができるので、もう少し枚数増やしてもいいかな?と悩んでいますが、あくまでサブプランなので現状1枚です。

 



《フォートレス》からのサーチ先その2。基本的に《アーマード・エクシーズ》を優先的にサーチしたいので、こちらは既に素引きしていた時の予備のサーチ先としての意味合いが大きいです。

《タリホー!》は展開効果と回収効果がいずれかターン1なので、自分ターン中は手札に回収、相手ターン中に展開したスプリガンズを素材にこのカードでX召喚できればカッコいいですね。まだ決まったことありませんが。

 



相手ターン中に発動することで、《ランサー》の破壊効果を不意打ち気味に発動可能にしてくれます。それ以外の場合でも、シンプルに《メリーメイカー》などを蘇生するだけで十分強力です。

墓地効果を使えば水属性Xモンスターを1ランクUPできるので、《貪欲な壺》などで戻した《ランサー》を再展開する手段にもなってくれます。

 



2体蘇生からX召喚に繋げる動きはもちろんですが、特に狙いたいのが《サルガス》とのコンボです。水属性Xモンスターを蘇生したこのカードをバウンスすることでわざと自壊させ、《ランサー》の効果起動を狙います。決まれば強力なのですが、罠カードなのでサーチ手段が乏しいこともあり現状お試し枠です。

EXデッキのカードについて



数少ない水属性ランク8モンスター。これ以外の候補となる2体はどちらも植物族なので、《マグネット・リバース》など機械族サポートを《サルガス》と共有できるこのカードを採用しました。

このカードの強みは①効果を発動するのにX素材を必要としない点です。《ランサー》《タリホー!》といった強力なカードのコストにX素材を使いつつ、自身はノーコストで相手のEXデッキを破壊できる点がこのデッキと非常に噛み合っています。

 



墓地に行ったXモンスターを再利用するための1枚。このカードで戻した《フォートレス》をすぐに重ねてX召喚することで実質的に水属性のXモンスターとしても扱うことができます。

また、②の蘇生効果は「効果を持たないモンスター」が対象なので、《ガガギゴ》も蘇生できます。蘇生した《ガガギゴ》《ランサー》の効果起動に使うのはもちろん、Xモンスターが複数並ぶので《無限起動要塞メガトンゲイル》のリンク召喚に使うことも多いです。

 



プトレマイオスの下敷きにするモンスターですが、素材指定のないランク4なので普通にX召喚可能です。このデッキのランク4は基本的に初動や展開に使うことが多いので、除去効果を持つこのカードはいざという時の返し札にもなります。

最初はプトレマイオスに重ねて出せる《星輝士 セイクリッド・ダイヤ》を採用していましたが、相手にコントロール奪取されると《タリホー!》が回収できない、溟界の墓地送り効果が使えなくなると、あまりにも自分の首を絞められたのでこちらになりました。



X素材を自ら補給できるモンスターとして採用しました。最初にX召喚したタイミングではX素材のモンスターが必ず1枚余るので、《ランサー》の破壊効果を使うためのX素材として打ってつけです。

相手のデッキトップにもよりますが、魔法カードを素材にできればドローも出来るので、上手くいけばデッキトップに置いたカードをドローしつつ自身は除外で逃げる、といった動きも可能です。

 

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございます!

久しぶりに組んだ新デッキということもあり、目新しいギミックやコンボなどはありませんが、その分安定感が高く落ち着いたデュエルを楽しむことができるデッキに仕上がりました。

個人的にずっと使いたかった《アフター・グロー》《ヴァリアント・シャーク・ランサー》といったカード、出来ることが多すぎて上手くデッキに落とし込むことができなかったスプリガンズ展開などをまとめて使うことができたのも嬉しいです。

 

デッキ名は【アンビシャス・シャーク】です。トランプマジックの用語で、山札の真ん中に入れたカードがデッキトップに上がってくる手品「アンビシャスカード」のように、デッキ内の魔法を浮かび上がらせる《ヴァリアント・シャーク・ランサー》のデッキなのでこの名前にしました。相変わらずシンプルなデッキ名ですね。

そして、今回の素敵なサムネイルはパピヨンさんに作っていただきました!ありがとうございます。

papiyondaken.hatenablog.com

 

パピヨンさんのブログはこちらから。面白いデッキがたくさん紹介されているのでぜひどうぞ!

 

去年は1年を通して全くブログを更新できなかったので、今年は遊戯王、特にブログに力を入れることを新年の目標に立てて、この記事を書き始めました。まだまだブランクを感じますが、これから更に面白いデッキを投稿できるように頑張りますので、ぜひご期待ください!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!