くず鉄収集所

遊戯王のあれこれを徒然なるままに書き下ろしていくブログです。

デッキ紹介【Cascading Punisher】

はじめに

皆さんこんにちは、Feです!

今回紹介するデッキは以前備忘録で紹介したデッキの完成版になります。あの頃抱えていた問題点が改善され、納得のいく出来栄えになったのでデッキ紹介としても記事を書くことにしました。

fe65282903.hatenablog.com

↑このデッキの備忘録はこちら。

なお、今回の記事は前回からの改善点や新たなギミックの採用理由に焦点を当てて書いていきます。デッキの狙いや大まかな動きについては備忘録で詳しく書いているので気になる方はそちらをぜひ。

それでは、デッキ紹介に行きましょう!

前回までのあらすじ

前回のデッキレシピがこちら。

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このデッキの主役は《ライトニングパニッシャー》(以下ライパニ)です。

チェーンを3つ積む度に破壊効果を使えるこのカードを何度も起動するのがこのデッキのコンセプトになっています。

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そして、そのためのチェーン稼ぎとして《サブテラーの継承》を軸とした所謂「継承シャドール」エンジンを採用。《継承》の発動で1回、墓地へ送ったシャドールで1回、サーチした闇属性で1回と一連の動きの中で複数回チェーンを稼ぐことが出来ます。

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ここにバージェストマやアメイズメントなどを組み合わせて、《ライパニ》の効果を相手ターン中に何度も発動させるのがこのデッキの狙いです。

 

前回の問題点

前回のレシピの問題点は大きく分けて次の3つでした。

 

①《ライパニ》の特殊召喚が安定しない

前回のレシピでは《継承》からサーチした《召喚僧サモンプリースト》から《終末の騎士》リクルート、《ライパニ》を墓地へ送り2体で《No.60 刻不知のデュガレス》をX召喚して蘇生するのがメインの出力手段でした。

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ですが、そもそも魔法が少ないのでコストを捻出しづらかったり、《継承》が引けないと《サモンプリースト》の用意ができなかったりと全く安定しません。第一、手札に引いた《ライパニ》をこの動きでは出せないのも悩みの種でした。

 

②《継承》への依存度の高さ

序盤のパーツ集めから終盤のチェーン稼ぎまで活躍する《継承》ですが、このカードを引けないと途端にデッキの動きが悪くなります。実際に、対戦中にコンボが決まった試合は全て初手で《継承》が引けた時でした。

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そのためにサーチ役である《サブテラーの導師》《地中界シャンバラ》などを採用していましたが、正直これだけでは足りません。また、これらのカードを《継承》へのアクセス専用に採用していたので、既に《継承》を引いていた場合これらのカードの仕事がほとんど無くなってしまいます。そのため、これらに代わる新たな《継承》へのアクセス手段の採用がこのデッキにおける急務でした。

 

③耐性持ちモンスターへの対処方法

このデッキの除去や妨害は《ライパニ》も含め、ほとんどが対象に取るカードです。そのため、最近よく見る《相剣大公-承影》などの破壊耐性持ちや《ヴァレルロード・ドラゴン》などの対象耐性持ちを出されるとかなり苦しくなります。これらのモンスターへの回答となる札を採用する必要がありました。

新たなデッキレシピ

そして、これらの問題を解決するために組み直した完成版のデッキレシピがこちら。

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基本的なコンセプトはそのままに、《ライパニ》の脇を固めるカードを刷新しました。なお、サイドデッキのカードは採用を検討しているカードです。

各問題の改善について

上記の問題点をまとめると、このデッキで必要だったのは

①新たな《ライパニ》の特殊召喚手段

②《継承》へのアクセス方法

③《ライパニ》で破壊できないモンスターへの対策

この3つでした。ここからはこれらの問題点をどのように改善したかについて説明していきます。

①《ライパニ》の出し方について

今回、《ライパニ》を特殊召喚する手段として選んだのがこのカード。

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前回のレシピにも一応入れていましたが、今回は特殊召喚手段を《マネキンキャット》に絞ることにしました。この方法ならば手札に引いた《ライパニ》も特殊召喚でき、《サモンプリースト》一本道の頃よりも安定して立てられそうです。

また、後述しますがこのデッキでは能動的に闇属性を用意する手段もあるので《マネキンキャット》で参照する闇属性の問題はクリアしています。

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そして今回、ランク2のXモンスターを活用する構築にしたことで新たに採用したのがこの《ボルト・ヘッジホッグ》です。

《影依融合》からこのカードと《シャドール・ヘッジホッグ》を墓地へ送って《エルシャドール・シェキナーガ》を出すことで、墓地送りと相方のレベル2・チューナーである《シャドール・ファルコン》の用意を同時に行えます。

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その他、レベル2のチューナーとしては《生きる偲びのシルキィ》も採用しました。こちらはリバースモンスターの再セットに使ったりとX素材以外としても非常に使いやすい1枚です。

②《継承》へのアクセス手段について

これまでは《継承》をサーチする手段として《地中界シャンバラ》を採用していましたが思い切って全て抜きました。その代わりに採用したのが《悪魔嬢リリス》です。

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リリス》を採用したメリットは大きく2つあります。

1つは《継承》以外の罠もサーチできる点です。このデッキはバージェストマやアメイズメントなど罠カードを多用します。そのため、状況に合わせた罠を持って来れる《リリス》のおかげで、以前よりも対応力がグンと高まりました。

そして、2つ目の理由がこの《デストーイ・マイスター》です。

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今回、《リリス》を場に特殊召喚する手段として最近流行の《魔界発現世行きデスガイド》から《エッジインプ・シザー》と《デストーイ・マイスター》を用意する動きを採用しました。

この動きの利点は《デスガイド》へのアクセス手段が多い点。《悪魔の嘆き》《魔神童》など、《彼岸の悪鬼スカラマリオン》を墓地へ送れば《デスガイド》はサーチできるため、以前よりも安定して《継承》に触れるようになりました。

③《ライパニ》で破壊できないモンスターへの対処方法

今回、破壊以外の除去手段として採用したのが以下の2枚。まずはこのカードです。

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相手モンスターを闇属性に変えることで《マネキンキャット》をサポートしつつ、《リリス》のコストを相手に押し付けることが出来ます。また、このカード自身は闇属性モンスターである《悪王アフリマ》からサーチできるので実質《継承》からサーチ可能です。

そして、もう1枚の除去手段がこのカード。

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こちらは対象にとらないバウンスで相手の特殊召喚されたモンスターを除去できます。基本的に《シューティング・ライザー・ドラゴン》を使ってシンクロ召喚するので相手ターン中のバウンスも簡単です。

※月華竜の効果は対象に取る効果でした。大変申し訳ございません。

その他のメインデッキのカード

ここからは前回紹介しきれなかったカードや、新たに採用した細々としたカードについて紹介します。

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リリス》の採用によって盤面ががら空きになる機会が増えたので、《継承》からサーチできる防御札としてこのカードを採用しました。

類似カードに《バトルフェーダー》がありますが、こちらは攻撃を止めた返しのターンに場に残った《ランタン》を《継承》のコストに出来る点が優秀です。

 

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《仁王立ち》の墓地効果や《トラップトリック》など罠が除外される機会が多いので、それらのカードの再利用手段として採用しました。こちらも《リリス》同様《シャドウ・ディストピア》と合わせることで除去札として活躍してくれます。

序盤は《リリス》で《継承》などのパーツを集め、終盤はこちらでリソース回復していくのがこのデッキの理想的な戦い方です。

 

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通常罠の比率が高く、悪魔族を墓地へ送りやすいデッキなので採用しました。

《ライパニ》のチェーン稼ぎ役として非常に優秀で、相手ターン中に墓地へ送るだけで②効果→①効果→(上手くいけば)セットした罠の発動・・・と、連続でチェーンを積むことが出来ます。

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こちらも《ライパニ》と合わせて使うコンボパーツ。予め《マーレラ》で墓地へ送っておくことで、任意のタイミングでチェーン数をかさ増しできます。

②効果を《リリス》に使った後に場から離すことでそのターン中の攻撃を止めるなど、防御札としても使えるテクニカルな1枚です。

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前のレシピでも入っていましたが、以前より使い方がだいぶ変わった1枚です。

これまではセットした《サブテラーの導師》を即リバースさせて《継承》をサーチするための②効果がメインでしたが、《リリス》の採用により①効果をメインで使うようになりました。

コンボパーツが整うまではこのカードで《エルシャドール・アプカローネ》を蘇生させて効果無効&戦闘破壊されない壁を立てながら時間稼ぎしています。

EXデッキのカードについて

今回はEXのカードを1枚ずつ紹介していこうと思います。

①エルシャドール・ミドラーシュ

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シャドール融合体その1。《影依融合》で《スカラマリオン》や《バックジャック》を墓地へ送るために採用しています。効果自体はこのデッキと相性がいいわけではないので、場に出ても《継承》や《リリス》ですぐに墓地へ送ることが多いです。

 

②エルシャドール・アプカローネ

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シャドール融合体その2。このデッキの妨害兼壁役。このカードと《影光の聖選士》のループでコンボパーツが揃うまでの時間を稼ぎます。ほどほどの妨害と優秀な耐性を持っているため、シャドール融合体の中では1番出す頻度が多いです。

 

③エルシャドール・ネフィリム

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シャドール融合体その3。《影依融合》で《ADチェンジャー》を墓地へ送るために採用しました。《影霊の翼ウェンディ》と《ADチェンジャー》でこのカードを融合召喚して、デッキからセットしたシャドールをすぐにリバースさせる動きが強力です。

また、このカードの①効果で《影光の聖選士》を墓地へ送って表示形式変更効果を追加で用意するなど、デッキを回すうえで地味に便利な仕事をしてくれます。

 

④エルシャドール・シェキナーガ

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シャドール融合体その4。《影依融合》で《ボルトヘッジホッグ》を墓地へ送るために採用しました。このデッキでは数少ないモンスター効果を無効にできるカードです。シャドールの枚数が少ないのでいつでも効果が使えるわけではありませんが、牽制としては十分仕事をしてくれます。

 

⑤月華竜ブラック・ローズ

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今回から新たに入ったシンクロモンスター。《ライパニ》で破壊できないモンスターを、対象に取らないバウンスで処理します。強制効果なので相手ターン中にアクセルシンクロで出してもタイミングを逃さないのも嬉しいですね。

※月華竜の効果は対象に取る効果でした。大変申し訳ございません。

 

⑥シューティング・ライザー・ドラゴン

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新たに採用したシンクロモンスターその2。《水晶機巧ーハリファイバー》から出てきて相手ターン中に《ブラック・ローズ》をシンクロ召喚するのが仕事です。墓地肥やし効果についてはあまり意識していませんが、もっぱらティンダングルを墓地へ送って《ティンダングル・ドロネー》の蘇生対象を用意しています。

 

⑦PSYフレームロード・Ω

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除外されたバージェストマや《ADチェンジャー》を使い回すために採用しました。一応仁王立ちΩも出来ますが今まで1回もやったことはありません。また、状況を選ばずフリーチェーンで効果を使えるので《ライパニ》のチェーン稼ぎとしても便利です。

 

⑧No.29マネキンキャット

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《ライパニ》の特殊召喚手段。相手の特殊召喚に反応して効果が発動するので、《ライパニ》を出した後もチェーン稼ぎとして使えます。《ディストピア》と合わせて使うことが多いので、2体目に出すのは《リリス》などが狙い目です。

 

⑨バージェストマ・オパビニア

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バージェストマが入ってランク2が立ちやすいデッキなのでこのカードも採用しました。サーチ先の第一候補は《バージェストマ・マーレラ》、次点で《バージェストマ・ディノミスクス》です。

 

⑩No.49秘鳥フォーチュンチュン

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リリス》や《シャドール・ヘッジホッグ》など使い回したいモンスターがレベル3に集中していたので、それらの再利用のために採用しました。《エッジインプ・シザー》の存在からランク3自体は割と立てやすいですが、このカードを能動的に墓地へ送る方法が少ないのでそこがネックかもしれません。

 

⑪彼岸の黒天使ケルビーニ

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《デスガイド》初動で使います。場に出てもすぐに《リリス》のコストになるのであまり語ることがありません。

 

⑫水晶機巧ーハリファイバー

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《シルキィ》をリクルートして以降のランク2を立てやすくしたり、相手ターンに《シューティング・ライザー・ドラゴン》を出してアクセルシンクロを狙ったりします。

除外して《ライザー》を出す→《ライザー》の墓地肥やし→アクセルシンクロ→Sモンスターの効果、といった動きでこのカード1枚から大量にチェーンを積めるのが非常に強力です。

 

⑬シャドール・ネフィリム

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シャドール融合体の特殊召喚補助。《ドロネー》で蘇生したティンダングルを使って出すことが多いです。盤面に残った《ミドラーシュ》を処理したり、高リンクを出す際のリンク素材など融合手段に収まらない仕事をしてくれます。

 

⑭鎖龍蛇ースカルデット

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このデッキで1番出したいリンクモンスター。リンク先にモンスターが特殊召喚された場合の攻守UP効果はターン1が無い強制効果なので、チェーン稼ぎ手段として非常に優秀です。このカードがコンボに絡むと余裕で5~6枚破壊できます。

その他、手札に来た《ライパニ》を出したり場に溜まったティンダングルをまとめて処理したりと、コンボから展開までどんな場面でも活躍するカードです。

 

⑮ヴァレル・ガード・ドラゴン

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リバースモンスターを使うデッキならではの1枚。表示形式変更効果で相手の攻撃を止めたり、リバース効果をフリーチェーンで使ったりと攻めにも守りにも使える優秀な効果を持っています。

②効果で蘇生したモンスターを《シルキィ》等で裏側表示に変更し、③効果で表にすることで効果無効をリセットする動きが非常にオシャレです。

採用を検討したカード

ここからはサイドデッキに入っている、採用を検討しているカードについて紹介していきます。

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セットカードを破壊から守り、デッキから任意の魔法罠をセットできる非常に強力なカードです。《トラップトリック》を経由することで《継承》にもアクセスできます。

以前のレシピでは採用していましたが実戦では1度も引けず、引かなくてもデッキが回っていたので抜けました。最近は①効果目当てでの採用を検討中。

 

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《シルキィ》と最後まで迷った1枚。《シルキィ》は相手の場にリンクモンスターしかいない場合効果が使えませんが、こちらは状況を選ばず効果を使えるのが利点です。

《エッジインプ・シザー》や《ティンダングル・ジレルス》など手札コストを使うカードをこれ以上増やしたくなかったので今回は《シルキィ》に枠を譲りました。

 

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以前のレシピから抜けたカード。フリーチェーンでリバースする効果は強力なのですが、無くても問題なくデッキが回っているのでこのカードが欲しい場面がほとんどありません。このカードをサーチするための星遺物を入れる枠が無いので、このカードも抜けていきました。

 

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《傀儡》と似た効果ですがこちらは特殊召喚の度にチェーンを組む、よりコンボ向けのカード。《ドロネー》で蘇生したティンダングル3体をまとめてリバースさせることでチェーンを3つ組む動きが強力です。

しかし、強制効果故に同一チェーン上で2回効果が発動したり、低攻撃力のティンダングルを攻撃表示で晒したりと、意図しない動きを引き起こすことが多々ありました。爆発力はピカイチなので枠を見つけて挿したい1枚です。

 

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《シルキィ》+《ボルト・ヘッジホッグ》でランク2が立ちやすいので、そこにバージェストマを噛ませて出す予定でした。しかし、やることがフリーチェーンの破壊と《ライパニ》と役割が被っていたので不採用。もう少し使いやすいランク2が増えてほしいです。

終わりに

今回は備忘録で紹介したデッキの完成版の解説でした。コンセプトはそのまま、以前よりも動きがスマートになったのが良かったです。上手くコンボが決まると《ライパニ》の効果が連鎖して相手の場が壊滅していく、非常に愉快なデッキに仕上がりました。

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デッキ名は【Cascading Punisher】です。《ライパニ》の効果が何度も連続で発動していく様子を、連鎖的に停電が引き起こされる「カスケード障害」にかけた名前となっています。雷族である《ライパニ》の電気感もデッキ名に含めたのがお気に入りです。

それでは、今回のデッキ紹介はここまで。次の記事でお会いしましょう!